美 容 鍼

1.美しさの定義

「美しい」というのはどういうことなのでしょうか。経験的、感覚的に判断することはできても、言葉で定義することはとても難しいことに気付きます。

過去の文献を紐解くと、「美しい女性」は変遷し、地域によっても随分異なることがわかります。
平安時代 ・きめ細かい色白の肌 ・小太り
・下膨れ気味で顎先は丸い顔の輪郭
・引目と呼ばれる細い象眼・長く、水分の多いしなやかな髪の毛
江戸時代 ・きめ細かい色白の肌  ・細面  ・小ぶりな口・富士額
・涼しい目元  ・鼻筋が通っている ・豊かな黒髪
また、現在においても地域によっては、「美しい女性」は日本のそれとはずいぶん違うようです。太っていること、ふくよかなことが美人の条件だったり、毛深いことが大切だったり…。

1990年にJudith LangloisとLori Roggmanが発表した文献によれば、コミュニティにおいてもっとも平均的な容姿を持つものが評価されるのだとか。生物学的な立場に立てば、1つの個体として最も重要なことは、生殖によって種を保存していくこと。生殖において失敗しないことが本能としてマインドセットされているとするならば、もっとも平均的なものを選択するのは正しいことかもしれません。

2.東洋医学における「美しさ」

東洋医学において、もっとも重要な概念は「陰陽論」。「中庸」すなわち「バランス」が非常に重要です。すべてのものには表と裏があり、この世の中はそのバランスによって成り立っていると考えているのです。 ということからすると、すべて大きからず、小さからず、細からず、太からず、高からず、低からず…言葉は適当ではないかもしれませんが、日本人としてもっとも「普通」を目指すことが、すなわち美しさを追求することなのではないでしょうか。

もうひとつ、東洋医学には大切な考え方があります。「五行論」といって、すべてのものは5つの要素からなり、それらが互いに影響を与え合いながら存在していると考えるのです。先ほどの陰陽論と併せて考えると、「ひとつひとつは陰陽のバランスで成り立ち、それらが5つ集まってひとつの機能体を構成している」ということになります。「五行論」では人の「華」というものは「爪」「面色」「唇」「毛」「髪」という5つのものから成り立っており、それぞれは人の生理的機能である「臓」たる「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の状態を表していると言われています。こう見てくると、現代における「美容」分野においてネイルアートで爪、化粧で面色、その中でルージュをひき、脱毛したり、髪を染めたり、育毛したりする…妙に「華」と符合しているように思えますね。

そしてさらにその「華」は「臓」に関わるのです。つまり「外」は「内」を表す…。外だけケアしたところで、内がしっかりしていなければすぐにボロが出てしまいます。逆に内をしっかりすればそれを受けて外もきちんとしているものだと思います。よく寝不足で生活が乱れてくると、髪に艶がなくなったり、皮膚がくすんだりします。便秘だと肌のハリがなくなり、顔には吹き出物ができたりします。40過ぎたら自分の顔に責任を持てと昔親に言われたのを思い出します。外表は健康状態をそのまま表すのです。そしてそれは生活習慣そのものだということだと思います。

3.兪楽が求める「美しさ」

兪楽が目指すのはその場限りの美ではありません。内なる健康に裏打ちされた、年齢に負けない美しさを目指しています。年をとっても魅力的な人、キラキラと輝いているような人そんな美しさを身に着けられるように、輝ける五華、すなわち生気に満ちた爪、精気ある顔色、はりのある皮膚、艶やかな髪、となるよう、内なる五臓をしっかり整えながら、その反映である顔や皮膚への鍼刺激をあたえていきます。

4.鍼が「美しさ」を作る理由

人は誰もが自己治癒力というすばらしい力を持っています。陰陽論でいうバランスのとれた中庸(※)たる場所に常に戻そうとする力が働いているのです。

例えばニキビで皮膚に穴が開いてしまっているような跡のある場合。鍼でその傷をわざと傷つけることを反復していると徐々に皮膚が盛り上がってきて、その跡が修復されると言われています。鍼は、刺激を与え、気を巡らせることにより、少し前の記憶を甦らせ、本来あるべき中庸(※)たる場所を思い返すきっかけを与える効果があるのです。
※中庸とは...偏ることなく、常に変わらないこと。過不足なく、調和がとれていること。

5.美容鍼の具体的効果

美容鍼は以下にあげる一般的なお肌のトラブルを改善し、弾力ある透明な、少し前の自分の肌に戻すことを目的としています。
  • しわ、たるみ、にきび跡
  • くすみ
  • むくみ

マッサージでは届かない皮膚の深層にある筋肉に鍼で直接刺激を施すことにより、血流を改善します。人の体は川の流れと同じ。常に新生し、排泄することにより、決して同じではありません。昨日の顔と今日の顔は同じには見えても、常にその構成する組織や細胞は入れ替わっているのです。そしてその入替(これを代謝といいます)を行うのが血液です。血液は、食事で得た栄養素をもとに組織や細胞に活力を与え、新生し、さらに不要なものを排泄する役割を負っています。どうして血流を改善することが弾力を取り戻し、くすみをなくして、透明な昔の肌に戻すことにつながるのか…年とともに停滞してくるこの代謝スピードを高めることになるからだと思います。

<効果の持続性について>

鍼は、薬や化粧品などによる外力に頼るのではなく、自分自身が持っている免疫力や修復力に働きかけるものであり、副作用の心配がありません。また鍼の効果は持続しないと言う方がいらっしゃいますが、これまでの説明をお読みいただければそうではないことがわかると思います。鍼で自身が持っている修復力を作動させ、例えばリフトアップしたところで、たるんだ皮膚を余儀なくしてきた生活習慣を変えなければ、もとに戻るのは必然なのです。効果を持続させるためには生活習慣に対する意識を変えることが必要なのだと思います。

<効果の発現時期について>
効果の発現まで待てない方もいらっしゃいます。鍼の刺激は血流を改善することで自己修復力を呼び起こさせることにあります。つまり組織や細胞が入れ替わって初めて健康な昔のそれに戻ることができるのです。皮膚の代謝にはおよそ28日、筋肉は2か月、骨は3か月と言われています。年をとればさらにその代謝のスピードは落ちることを考えれば少なくとも2~3か月経たなければ鍼の効果は確認できません。一時的に鍼の刺激で筋肉の状態を変えることはできても、該当組織を入れ替えてあげなければ、刺激の消失とともに元の状態に戻るはずです。「効果は短期的に顕れるけれどすぐに元に戻ってしまう」と言われるのはこうした理屈だと思います。

6.施術内容

施術は1時間から1時間30分程度かかります。  

カウンセリング(5~10分)
↓  
お着替え
↓  
全身調整治療(15分)
↓  
お顔の鍼(20分)
↓ 
フェイシャルマッサージ(10分)ハンドマッサージ+天然石ローラー
↓  
カウンセリング
↓  
お着替え

終 了
 
※お化粧は落としていただいての施術になります。お着替えの時までにご自分で落としていただきます。今のところメイク落としの準備はありませんので、ご自分でお持ちいただくか、ノーメイクでお越しください。お帰りのお着替え時にメイクをしてお帰りになることはできますが、メイク道具の準備はありませんのでご了承ください。